Stories No.37
日本で働いていたときのはなし。
ひとりの40代後半の女性がダイエットコースを受けに来てくれていたときのこと。
はじめは反応も少なく、私の話を淡々と聞いてくれるだけでした。
回を重ねていく過程で、彼女は鬱病を患っていることを知り、今現在も抗うつ剤を服用している状態で、その副作用で体重がみるみる増えてしまったようでした。
身体はもちろんのこと、彼女の日常生活も話してくれました。
彼女は有名大学の教授で、お子さんもいらっしゃったので、毎日忙しい日々を送っているようでした。
彼女は週1回のペースでサロンに来てくれていました。
ダイエットコースは施術前に毎回体重測定をして、経過を見ていくのですが、彼女は来るたびに減っていきました。
抗うつ剤も自然とやめることができていました。
通って頂いて3ヶ月が経つ頃、ついには無理なくトータルで11キロの減量に成功しました。
見た目もずいぶんと変わって、彼女自身も自信を取り戻し、笑顔も以前よりも圧倒的に増えました。
○○さん、ダイエットコースは終了しましょう。
むしろ、もうサロンに来なくても大丈夫です…
しかし彼女は、でも月に1回はリラックスの為に来たいですと言って通い続けてくれました。
いつの日からかお客さんを ” 通わせる” ことに疑問を感じ始めた私は、いつかお客さんに自信を持って
“もう来なくても大丈夫です“
と言えるセラピストになろうと思って、日々どうすればそうなれるのか考え続けてきました。
そして、その言葉を言える日をついに迎えたのです。
なんともいえない嬉しさと、誇らしい気持ちが自分の心をいっぱいに満たしてくれました。
ありがとうありがとう…
不覚にも会社から表彰もして頂きました。
もうあれからちょうど5年が経とうとしています。
自分の身体のことをいちばんよく知っていて、どのような生活習慣が自分の健康にどのような影響を与えるかを把握しているのは、まぎれもなく自分自身だし、健康管理を積極的におこなうことで、自分の人生を管理することができ、それがまた、自尊心を高めることにもつながるのだということ理解できた瞬間でした。
Tot ziens x