Stories No.36
バイロンベイでのはなし。
バイロンベイの語学学校を卒業し、クラスメイトとのご縁でタイマッサージサロンで働き始めたときのこと。
語学学校を卒業したといっても、英語はまだスムーズに話せないし、お客様にお水を出したり、ベッドにご案内したり、お着替えをしてもらうように声をかけることひとつひとつにエネルギーを費やし、とまどう毎日ですべてにとにかく一生懸命でした。
幸いにも、タイ人のボスやその他のセラピストさんたちにやさしく教えてもらいながら、働き始めて2日目で指名を頂くなど、大変だったけど充実した毎日を過ごしていました。
ある日、ひとりのオーストラリア人の男性がサロンに訪れます。
彼は以前にもこのサロンに来ていて顔を覚えていました。
今回は私が担当させて頂くことになりました。
彼は私にたくさん質問をしてくれて、私のぎこちない英語にもかかわらず、色んな話をしてくれました。
マッサージすごい良かった!今度うちの治療院にも遊びに来て!
と言ってくれました。
彼は日本の四国で鍼灸を学び、バイロンベイから車で30分離れたリズモーというところの自宅に治療院を構える鍼灸師さんだったのです。
その後も何度か指名してサロンに来てくれていました。
Hi Kawacha ~n!!
Genki~??
彼は日本で鍼灸を学んでいたこともあるせいか、たまに日本語を話してくれました(笑)
私は日本では
『河ちゃん』
と呼ばれることが多く、すごく気に入っていましたが、オーストラリアに来てからは
『Rie』
としか呼ばれたことがなかったので、彼にKawachanなんて呼ばれた際には、恥ずかしいけれど、うれしい気持ちでした。
でもなぜ彼がKawachanと呼び始めたかは謎です(笑)
ある日、彼はわざわざバイロンベイまで車で迎えに来てくれて、私を自宅にある治療院に招待してくれました。
彼の自宅治療院に向かう車の中で、たくさんの話をしました。
彼はKawachanの施術はphysicalだけじゃなく、 mentalにも効果があるんだよ…
私は最初そんなことを言われるなんて!!
とビックリしましたが、そういう施術を目指していたので、オーストラリア人の同業者にそんなふうに言ってもらえたことがすごく嬉しかったんです。
彼の治療院を見せて頂き、彼のお客さんや、奥さんと子供たちにも私を紹介してくれました。
奥さんが私の分までディナーを作ってくれて、みんなで一緒に食べました。
そんな彼が私のために施術ルームを用意してくれたことがありました。
アムステルダムに、彼の知り合いの中国人が開業して働いているみたいなのでいつか訪ねてみたいと思います。
Tot ziens!