2018.04.25
ケーススタディ&エッセイ
BODY DESIGN THERAPY
Stories No.7 ~トラウマが身体に引き起こすもの~
日本で働いていたいたときのお客さん。
お人形さんのように小柄でとってもかわいい女性。
笑顔もすごく素敵だけど、なぜか違和感。
大学院に通っていて、忙しいようで、背中から首にかけてすごく辛いと話してくださいました。
頻繁に通いたいけれど、忙しさのあまり月1回来れればいいかなっていう感じでした。
会社としては、お客さんの身体の状態を診て、きちんとペースを伝えて、通って頂いて(利益を出すためにも)身体を良くしていく方針でした。
私は” 通わせる“ことに違和感、疑問を感じてから、ペースを伝えるのを止めました。(店長失格です)
お客さんに自分の身体としっかり向き合って欲しいのと、自分の身体は自分にしかわからないし、意思決定はお客さん自身がするべきだと思ったからです。最終的には、サロンに来なくていいように、自分自身で身体を調えることが大事だと気付いたからです。
彼女は、背中の痛みの他にも、長年、生理不順だったのもあったせいか、ピルを飲んで生理を起こしている状態でした。私はまたしても違和感を感じます。
なぜならば、人間はもともと自然治癒力を持っているという前提があった上で私は施術をしているからです。人間が普通に、自然に沿った生活をしているのならば、生理は自然に定期的に起こるのにも関わらず、ピルを飲まなければ生理が来ないという状況は、何か不自然なことが彼女の身体の中では起こっているということなのです。
でも現代の人々は、風邪をひけば風邪薬を飲む、生理痛があれば、痛み止めを飲む、頭痛があれば頭痛薬を飲む、熱が出れば解熱剤を飲む、病気になれば病院に行く。当たり前のように、何も考えずにその選択をしてしまっている気がします。
もちろんそれは、その人の貴重な選択の1つですが、それは本当に数ある選択肢の中で選んだものなのか?その選択肢しか知らないということはないだろうか?
どうしてその症状が出たかを考えずに、想像すらせずに決断をしてしまっている人が多いように思います。
これは考えないように仕組まれているとも言えます。
現代の医療費の問題を見れば一目瞭然でしょう。
話がそれましたが、私が言いたいことは、症状は理由があって起こっている、その原因を知って、断つ事が大事だということです。
私は、ピルを飲むのは当たり前だと思っている彼女に対して、自然治癒力を少しずつ回復させて、ピルなしで生理が来ることが、身体にとっては1番いいことです。と話しました。彼女はびっくりしていましたが、私を信頼してくれていたのもあり、すぐに納得してくれました。
そして、それから過去にあった辛いことを堰をきったように話してくれました。背中の痛みもなくなってきていました。あぁ、あの笑顔の違和感や、身体の不調も、この辛い出来事がきっかけだったのかもな。と直感的に思いました。
彼女は引っ越すことになり、さらに忙しくなって、お店に来ることは遠のいていましたが、久しぶりに来てくれたときに、素敵な笑顔で、ピルなしで生理が来ました!!と報告してくれました。
私は涙が出るくらい嬉しかったのを覚えています。
精神的な苦痛は、ときに身体の奥深くにその爪痕を残します。その時のどうにもならない悲しみや苦しみを、無かったことのように日常に戻ったように取り繕っても、身体はちゃんと覚えているのです。
自分で見つけることが困難であれば、いっしょに見つけましょう、そして代えのきかないあなたの大切な身体を心ゆくまで解放してあげましょう。
海外在住者は生活の中で多くの理不尽なことに出会い、落ち込むことはしばしば。
そんな時はおいしいものを食べて、早く寝ること!!これに限ります。