2018.05.05
ケーススタディ&エッセイ
BODY DESIGN THERAPY
Stories No.17 ~元トップ家電販売員が選んだ意外な道とは?~
日本で働いていたときのはなし。
ひとりの30歳前後の男性Nさんが新規でお店に来てくださいました。
たまたま担当することになった私は、身体の状態をお聞きして、施術をはじめます。かなりお疲れの様子だったのを覚えています。
たしか、Nさんが来てくれたのは初夏の頃だったかな、、私が神奈川から異動して働くことになった地元の茨城県つくば市は、筑波山の新緑が本当に綺麗なところなんです。
サロンの中は空調が効いていたので、涼しく、お客様も自分たちも仕事がしやすい環境だったのは確かです。
しかし、私が、彼の首を触り始めると、不思議なことが起こります。空調がしっかり効いているはずなのに、彼の顔全体、首から汗が大量に吹き出すように出てくるのです。
タオルで汗を拭いながら施術をすすめましたが、彼は目をつむり、とてもリラックスしていたようでした。このような反応は彼がはじめてでした。
しかし、後にもうひとり男性でこのような反応が起きた人を私は経験することになります。
その彼は研究者でした。1回の施術で調子がすごく良くなりました。
こう、なにか、目に見えない何かが抜けていくような感覚とでもいいましょうか…
Nさんはその後も、頻繁にではないですが、他のスタッフが担当してお店に来てくれていました。彼のお父さんも紹介で来てくれていました。
そして、私が会社を辞めてオーストラリアに行くことを決めて、少しずつ担当させて頂いていたお客様に報告をしていきました。
2013年の大晦日が私の最後の出勤日でした。お客様と最後の施術をしながら、私は本当にここで働けて良かった、たくさんの素晴らしいお客さんに会うことができた幸せを最後、噛みしめながら施術をしていました。
私の予約表は目一杯で、当日もたくさんの予約をキャンセルせざるを得ないことにもなってしまいました。
施術を受けなくとも、何人かのお客様はわざわざお店に足を運んでくれて挨拶をしに来てくれました。すごく嬉しかったし、施術をしながら泣きそうになっていたりもしました。
2013年の最後のお客さん、同時に私が4年勤めた会社で施術をする最後のお客さんだったのは…Nさんだったのです。
“身体のことを考えるきっかけをくれてありがとう”
オーストラリアから帰国した時に、彼は施術を頼んでくれました。ありがとうございます。
そして、私は彼がつくばでオープンさせたカフェへ足を運びました。
今や取材もたくさん!人気のカフェに成長しています!
自分のやりたいことに無我夢中で取り組むこと、それを貫くこと。うまくいく保証なんてどこにもないんでしょうけど、きっと”なんとかなる”のではなくて、”なんとかする”ものなんでしょうね…
無謀にもオランダに飛び込んだ私がそうでしたから。
本当に何が起こるかわからない人生ですから、やりたいことやって、幸せを感じることが多い方がいいですもんね!
日本は相変わらず癒やしブームみたいですが、肩肘張らず、あまり躍起にならないほうが、もしかしたらいいのかもしれません。本当に欲しいものは忘れた頃にやってくる気がするからです。
人に優しく、自分にはもっと優しくいきましょう〜!