今回のパンデミックで、リモートワーク、オンラインミーティング、デジタル社会が当たり前になる世界… 通勤時間や場所を移動して誰かに会う無駄を徹底的に省き、革新的な変化を遂げている昨今。しかし一方で、パソコンの前ですべてが完結する学びや、コミュニケーション、身体性を用いない生活様式で本物の知性は身に着つけられるのか?教育方針としてどう考えられているのか?という疑問もセラピストとして同時に抱きつつあります。
自分が起業する前もオランダで起業してからも、ずっと変わらずに抱き続けていた思いを改めて認識するとともに、自分の脳内を整理するつもりで書いています。また、先の見えない不安やストレスで気持ちが落ち込んでしまっている方へのちょっとしたアドバイスも含めて書いていけたらと思います。というのも、気持ちの落ち込みや不安というものは、やはり身体にも確実に影響してくるからです。
最近SNS等で急に首が痛くなった、ぎっくり背中になった…などの投稿が多くみられるようになったり、身体が辛いからロックダウン明けにすぐ伺いたいと、ご予約をいただいたりしたこともあり、ロックダウンでの心身の影響は相当なものだなとひしひしと感じております。
身体性とは?
考えてみればあまりなじみのない言葉ですよね。
Wikipediaには身体が持つ性質を指す。 分野ごとに様々な定義がある。としか書かれていません。
改めて、身体性ってなんだろう?と考えたときに、身体活動を伴って何かをすることはもちろんのこと、私はその身体活動の中で、新しく出会う言葉にできない感覚や感情をも身体を通して体感、咀嚼することも身体性の潜在的な重要なニュアンスだと思っています。
ウォーキング、ランニング、スポーツの類はもちろんのこと、ダンスやパフォーマンス、アウトドアアクティビティなどなど。もちろんわたしのセラピストという仕事も立派な身体性を伴う活動です。
昔はくらしの中で多くの場面で身体性を伴いながら生活を営んでいました。
和式トイレやぞうきんがけがいい例ですね。しゃがまないと用がたせませんし、そうじもできませんでした。意識しなくても日常生活の中で足腰を鍛えることができていました。洗濯にしろ料理にしろ、手作業で時間をかけておこなっていましたし、それが同時にマインドフルネスの時間にもなっていたと思うんです。
それが今はどうでしょうか? 洋式トイレになり、掃除や洗濯は機械がやってくれるようになり、生活に身体性を伴うことが圧倒的に減りました。科学技術の進歩の恩恵を受け、面倒なこと、時間がかかることは機械が代わりにやってくれる。生活の利便性を上げ、負担を減らした。そして、現代の人々は自由時間を獲得し、各々の好きなことや趣味に興じることができるようになりました。
しかし、うつ病のような精神に害をきたす病気、生活習慣病など、昔にはなかった病気が出現してきています。これは身体性の欠如がもたらした弊害なのではないかと思っています。
最近では、学習効率をあげるには運動やマインドフルネスが大切だと、多くの書籍で目にするようになりました。
書籍になって騒がれる前に、じつは昔から日常生活の中で気づかずとも存在していたのものなのでは?
利便性を追いかけて、身体性を排除して時間をつくり、お金を払ってジムに行く…あれれ?
特に幼少期のこどもは、痛い、熱い、寒い、冷たい、うるさい、心地いい、気持ちいい、五感をうまく刺激することは、身体性を伴うものと伴わないものとでは、学びや気づきの機会が相当違ってきてしまうように思います。身体性を伴う学びは記憶の定着や、知性の発達にも不可欠のように思います。
だからとにもかくにも、心身の健康を保つためにもからだを動かそう!ってこと。こどもだけでなく大人も!!!
これは私が仕事でずっと抱き続けている思いです。インターネットで簡単に世界とつながれるようになった今も、AI導入で仕事の形がこれからさらに変化していっても、各々の身体性を重んじることを大切にしてほしい。
トリートメントを通して、さらに自分自身を深く見つめること。身体を労ることを忘れないこと。触れる触れられることを忘れないこと。自分の身体と精神をうまくコントロールできるようになること!健康体で自分のやりたいことを思う存分に表現していって欲しいこと。これらの思いはブレずにやってきました。もちろんこれからも!
人間の精神面をコントロールするために、ひたすら考え続ける脳への働きかけだけではなく、身体を通じてエンボディメント する ”embodiment” (具現化、身体性) という言葉もあるようです。悩んでばかりでなかなか解決の糸口が見つからなかったり、嫌なことを考え続けるくらいだったら、とりあえず動いてみる、身体を動かしてみる、からだを通して精神のコントロールをはかってみる。これが大事なんじゃないかな。
なんといおうと、この私自身ががこの効果を実感しているからなんです。でもわたしの場合は、意識をしてからだを動かしていたというよりかは、もともとバレエ、バスケット、体育の教育免許を取得するために行っていた大学でも、常日頃から授業で身体を動かしていたこともあり、それが精神衛生にもよかったのかと後から理解したといえますが。
コロナ禍で心身共に疲弊してしまっている方、身体を動かして、自分の身体を感じる時間をつくってあげてください。身体を俯瞰してみる。身体性インテリジェンスを高める!!
身体を俯瞰してみるヒントをかいたブログはこちら
運動を続けると運動しないと気持ち悪くなってきます。慣性の法則をうまく利用したいですね!
エンボディメント embodiment (具現化、体現)
オランダ語では belichaming というそうです。
オランダ語で身体はlichaam
同じく身体という言葉がはいっていますね。
夢を実現したければ、身体的行動なしには具現化しないということでしょうね!
Tot ziens!
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