Stories No.33
日本で働いていたときのはなし。
40代女性が、ダイエットコースを受けに来てくれていたときのこと。
はじめて身体を診させてもらったときは、こちらの話を聞いているのか聞いていないのか、うわの空のような反応で、正直また来ることはないだろうと思っていました。
しかし、彼女は次回もその場で予約をしていき、意外にも週1回来てくれていました。
私が働いていたサロンのダイエットコースは施術はもちろんのこと、食事(糖質制限)のアドバイスもしていました。
彼女は大好きなパンがどうしてもやめられないのが悩みでした。
それもそのはず、、私が異動して働いていた地元の茨城県、【つくば】という地域は、美味しいパン屋さんがたくさんあることで有名なのです。
彼女の体重がなかなか減っていかないので本来なら、私はパンを食べる回数を減らすことのアドバイスをしなければいけない立場でしたが、彼女は自覚もしていたし必要ないと思い、ダイエットとは関係のない、彼女がハマっていることや好きなこと、主に世間話をするようにしていました。
彼女はある時、強迫性障害を持っていることを打ち明けてくれます。病院に行ってお医者さんに診てもらったけど、薬を出されるだけで解決法がわからない上に、薬の副作用で、かなり太ってしまったようでした。
強迫性障害とは?
不合理な行為や思考を自分の意に反して反復してしまう精神障害の一種である。1994年以前は強迫神経症の診断名であった。同じ行為を繰り返してしまう「強迫行為」と、同じ思考を繰り返してしまう「強迫観念」からなる。
些細であったり、つまらない事柄、気にしても仕方の無い事柄を自他共に認める状態にあっても、これにとらわれ、その苦痛を避けるために生活に支障が出るほど過度に確認や詮索を行う❞
(wikipediaより)
彼女はある有名アイドルグループが大好きで、いつもその話をしてくれていました。ライブのチケットを入手したいけれど、ファンクラブに入っていても入手が難しいとのこと。
今まで当選したことがなく、今回も申し込んだけれど、当たるかどうかはわからない状況でした。
当選したときのために、身体の調子を整えておきたいですね!と私は彼女に声をかけ、気を取り直して彼女もダイエットに本腰を入れ始めました。
すると、ほんの少しだけれど、体重に変化が表れました。
もしチケットが当選したら、彼らのコンサートにキレイな自分で行きたい!とまた改めて決意を新たにしたようで、パンをやめることができました!と報告してくださいました。
すると体重が徐々に減り、トータル5キロ近くも減りました。
彼女の笑顔もキラキラしていました。身体のことはもちろんのこと、色んなお話をお互いにするようになっていきました。
そんなどんどん変化をみせる彼女からチケットが当たった!!と報告を受けたのは、体重が減り始めてすぐのことです。
私もとても嬉しかったし、彼女とびきり嬉しそうでした。サロンの外からどこからともなく、偶然にもそのアイドルグループの歌が流れてきたのです。
私はそのアイドルグループのファンではないですが、歌を口ずさめられるくらい有名グループだったので、歌は知っていました。
二人で思わず、、、あぁぁっっ!!
私は彼女に、祝福されてますね!と声をかけるととても嬉しそうでした。
コンサートもきっと、楽しい時間を過ごせただろうと思います。
人生順風満帆にはなかなかいかないものです。
うまくいかないときももちろんあるでしょう、自分を責めたくなるときもあるでしょう…そのネガティブな気持ちに負けて体調が思わしくないときもあるでしょう。
でもお医者さんや私たちセラピストは、あなたが思う楽しい、嬉しい、面白いにはかなわないのです。
身体に不調があろうと、コンプレックスがあろうと、自分が本気で好きだと思うこと、楽しいと思うことに意識を向けて一生懸命に生きていれば、きっと運は味方してくれると思うのです。
彼女はそれを目の前で証明してくれました。
本当にありがとう!
私も来年ヨーロッパに来る、大好きなアーティストのチケットを無事に確保できました。
残念ながら、アムステルダムは完売でしたが(´;ω;`)
Tot ziens x