Stories No.42 〜偶然?必然?それとも…?〜

私がアムステルダムに来て2ヶ月が経つ頃のはなし。

私はアムステルダムに来て1ヶ月で、幸運にもひとつのマッサージサロンからスポンサーVISAを出して頂き、1年の契約でサロンで働かせて頂いていました。

チャイニーズスタイルのマッサージサロンで、おしゃれなお店の多いナインストリートに近い、比較的人通りの多い、嬉しいことに私の家から歩いていけるエリアにありました。

ローカルの方はもちろんのこと、ツーリストの方もたくさん来られるのもあるせいか、観光シーズンは本当に忙しかった!

一緒に働いていたのは、オランダ人、ギリシャ人、中国人、コロンビア人、エジプト人、アメリカ人、そして日本人の私。オーストラリアで働いていたときは、たくさんの日本人がいたので、日本語も話していましたが、ここで働いていたころは、もちろん英語のみ。

お店の中は、オランダ語と英語が飛び交います。私はオランダ語が話せないけれど、オランダ人、みんな英語が素晴らしく話せるんです。私としては、英語でさえも堪能ではないけれど、本当に助かっていました。

まだまだ環境にも慣れず、緊張しまくって心も体もガチガチだったけれど、ボスに、VISAをサポートしてもらったことをはじめ、職場の仲間にたくさん助けてもらってました。
電話に出たときに、オランダ語で話された時は少し焦りますが、Can you speak English?と言えば、英語で話し直してくれるのでありがたかったし、日々、勉強の毎日でした。

暇なときには、オランダ人の同僚にオランダ語レッスンをしてもらったり、お互いの国のことを話したり、毎日充実していて、楽しくて、この職場で働けていることに、幸せを感じていた私ですが、働き始めてちょうど1ヶ月が経った頃、更に幸せを感じる出来事がありました。

日本人のお客さんは滅多に来ませんが、ある日、旅行で来ていた日本人の親子が来店されたときのこと。

はじめは日本人だと気づかなかったけれど、マッサージを担当したアメリカ人の同僚が、リエ!あの方たち日本人じゃない??
と言うので、すぐに話したかったけれど、シャイな私は声をかけられず、アメリカ人の同僚に聞いてもらいました。

そうしたら日本人の方で、旅行でアムステルダムに来ていて、ポーランドにもこれから行く予定でした。

娘さんとお母様は、ヨーロッパ旅行が好きらしく、〝アムステルダムに来たときは、必ずここのマッサージに来るのよ!ヨーロッパ各地の色々なマッサージ店に行ったけど、ここのお店がベストだと思うわ!!”とのこと。
そんなふうに思ってもらえるお店で働けていることに、私は嬉しくなるのと同時に、改めてボスに感謝の念が湧きました。

お客さん(Nさん):ここで働いている日本人初めて見たわ!

:そうなんです、日本人の雇用は初めてみたいで、つい、1ヶ月前にスポンサーVISAを出して頂いたばかりなんです。

Nさん:あなたすごいラッキーね!

:はい、自分でも信じられません。

Nさん:今はどこに住んでるの?

:Keizersgrachtです。

Nさん:えぇ??!!そんないいところに住んでるの?なかなかそんないいところ住めないわよ~、あなた本当に本当にラッキーね!持ってるわね!

:ありがとうございます。

Nさん:ご実家はどこなの?

:茨城です。

Nさん:!!私達は大阪の茨木(市)よ!

!!!!
こんなことって、あるんですね~

これも何かの縁だからと、連絡先を頂きました。
また、アムステルダムに来たときは、かならずここに来るわね♪それまでここにいてね♪と言って頂きました。

働き始めて緊張感が抜けなかった私にとって、とっても嬉しい出来事となりました。
久しぶりに日本語が話せたのでとても癒されたのを覚えています。

そんな彼女が1年半振りに、またアムステルダムに遊びに来るということで、連絡を頂き、カフェで一緒に楽しい時間を過ごしました。
 
1年半前にサロンで数分お話しただけだったのに、また会いに来てくださったことが何より嬉しかったし、フリーランスになり、自分の成長を報告できたことも良かったです。
思いもかけず、日本からのおみやげもたくさん頂きました!ありがとうございました!

セラピストとして生きてきて、もう10年目になります。
これまで日本、オーストラリア、オランダとトータルで5つのサロンで働かせてもらってきましたが、そのサロンで起こった事がなかなか面白いのでまとめてみました。
 
・日本で最初に某整体サロンに勤めた時の、溝ノ口店での勤務の際は、店舗拡大のためにリニューアルし、ベッド数が増える!
・茨城県初となるつくばの店舗ではオープニングスタッフとして異動、店長も経験。

・オーストラリア、バイロンベイへ渡り、タイマッサージ店で働いた時は、店舗拡大のためにリニューアルし、ベッド数が増える!

・その後Holistic massage centerで働いた時は、数十年、お店を経営してきたボスが事業を売却し、新しいボスに変わる。

・そしてオランダ、アムステルダムへ渡り、Chinese massage salonでの勤務が決まった時も、日蘭通商条約にあやかり、会社としては初めての日本人、そして初のスポンサー雇用でした。

そんな、変化の時期にたまたま居合わせていた私…
偶然でしょうか?

私は、偶然であろうがなかろうが、自分の身に起こることすべてにとらわれぬ態度をとろうと心がけています。
もし不快な出来事に出会うのならば、それに対して否定的な態度をとるのではなく、そこに含まれた必然的な部分を受け入れて、できる限り良い方向に変えようと努め、異なる意見に出会うのならば、自分の立場からそれを見るのではなく、相手の立場から考察することも大切だということを忘れないようにしています。

いいときもあれば、悪い時もある。
人生にはバイオリズムがあり、波がありますから。
陰と陽。結局最後はバランスがとれるようにできているんでしょうね。

私はこれからも自分のところに向かってくるすべてのことに対して常にこころを開いていたいし、自分が何か意図した時や、行為をするときは、その意図を信じ、行為の有効性を信じてやっていきたいと思っています。

すべては毎日楽しく生きていくために!

Tot ziens x 

Rie 🙂