オランダで東京の生活を語る!?
オランダでフリーランスになって3年目に突入した私は先日、いつもお世話になっているイベントオーガナイザーの方から、日本映画を放映の前のイントロダクションとして、私自身にとっての東京の生活とはどのようなものだったか? 3,4分、語って欲しいとお願いをされた。
放映予定の「万引き家族」の内容とは一切関係なくて良いとのことだったので、さぁ何を話そうか?と考えを巡らせる…
急なお願いでもあったし、本来なら人前が苦手な上にあがり症であるために断ろうとも思ったけれど、体育の教員を目指していた自分が教育実習を苦にして教員免許は取得したものの、教員になることを諦めたという経験もあるし、それを払拭したいというよりかは今の自分でやってみたいという思いがあった。
日本語ならともかく、英語でスピーチをするなんて大丈夫か?と思いながらもいい経験になると思い、承諾した。
私にとっての東京
私の出身は茨城県。筑波山の麓の田園風景に囲まれ、なんとも自然の美しい土地で産まれた。
正真正銘の田舎者である。高校生まで電車に乗る機会もなかったので、電車に乗ったことのある人はみんな都会の人だと思っていたくらい世の中のことを何も知らない人間だった。
そんな私が、大学生活の中で東京の便利な生活を享受することになる。電車でどこへでも行くことができ、流行りの美味しいものを食べることができる。必要なものはすぐにコンビニで手に入れられたし、おしゃれなお店もたくさん覚えた。
人混みにはなかなか慣れなかったり、田舎くささは全然抜けなかったりしたけど、茨城で過ごしていた頃の自分とは比べものにならないほど、東京という町を大学生活とともに楽しんでいた、と思う。
何を語ったか?
私が東京から得たものは良くも悪くも
“完璧であろうとすること”
だと思った。それをうまく伝えようとした。
自己紹介を終えた後、私は聞いた。東京と聞いてどんなことをイメージしますか?
返ってきた答えは “Busy” “Crowded” “Good food ” …
私は大学生の頃に東京に住み、体育の教員を目指して勉強をしていてスポーツが大好きで、大学へ行くのにも自転車を利用していたので、アムステルダムに来る前からDutch spiritは健在だったんだよ!と言ったら笑ってもらえたから良かった(θ‿θ)
少し雰囲気が和んだところで本題に入った。
日本、特に東京では、いつでもどこへ行っても良いサービスを受けることができ、美味しいものが食べられる。夜遅くまでお店も開いているし、電車は時間通りに来る上にホスピタリティも行き届いている…故に私の東京生活はこの上なく充実していたことをまず伝えた。
私はセラピスト目線でというのを付け加えて、完璧であろうとするがゆえに私はとてもストレスフルでもあったとも話した。以前にブログにも書いている⇩
大学卒業後は整体師として川崎でサロン勤務をしていた私は、お客さんの前では完璧な整体師を演じ、完璧な施術を心がけた。もちろんお客さんに対して完璧なサービスを提供するのは素晴らしいことだし、そしてそれはダイレクトにお客さんの満足度につながる。
会社総出でお客さんの満足度を上げるための施策を考え、常に従業員に落とし込んでいた。完璧を目指していた故に私の身体はおかしくなってしまった…と同時にお客さんの身体が悪くなる原因も考え、こんなにストレスフルなのは日本人だけなのか?と海外に目を向けたきっかけにもなった。
オーストラリア、オランダと住んでみて感じていることは、日本人のマジメさやクオリティの高いサービスやホスピタリティは海外でも容易に通用するし、とても重宝される。
それは海外のレベルが低いとかではなく、お客さんもそこまで過剰なサービスを求めていないということ。お互いの心地良い関係を続けていくだけ。特にオランダではそんな印象を受ける。
セラピストとして施術前にタオルをピシっとキレイにたたみ、準備するということを当たり前にやっていましたが、他の国のセラピストさんは、え?タオルこんなシワの状態でお客さん迎え入れるの?と思うときがあったりするけど、お客さんも別に気にしてない(笑)
日本ではお客さん側もいいサービスを期待しすぎているのかも?と思った。完璧を求めすぎて、サービスを提供する側も享受する側も神経質になって、精神をすり減らしているのかもしれないなと思った。もっとお互いに肩の力を抜いてリラックスしていいのではないか?と過去に日本で会社員として働いた経験のある私は思う。
だからといって、私は今まで日本で学んできたものを無駄にするのではなく、そのベースがあった上でより良いサービスを目指していくスタンスでいたい。お客さんが本当に求めているものを模索し続けたいと思う。
最後に…
私のスピーチが始まる前、打ち合わせをしたときにオランダ人のオーガナイザーの方と話をしたのだけれど、彼女は日本人のお友達がいて、色々学んだと教えてくれた。
私たちは物事をダイレクトに話すけど、日本人のように遠回しに言うことも必要だって。すかさず私も、私達日本人も自分の意見をしっかり述べることはオランダでフリーランス生活をする中で感じているよと述べた。
そう、私達はもともと違う国で生まれて、文化も違えば価値観も違う。お互いの違いを受け入れて学び合うことが大切だと思った。
ということを最後に話してうまく締めたいところではあったが、しどろもどろになり、うまくいかなかったんだけど、みなさま笑ってくれて受け入れてくれ、オーガナイザーの方もそんなあなたのチャーミングさも日本人らしさを象徴していて良かったわと言ってくれた。
しばらくはもう少しうまくできたのではないかと自己嫌悪に陥ってしまった…こういうところにもまた完璧さを求めてしまう自分にツッコミを入れつつ、フリーランスとしてオランダで生活させてもらっている恩恵を思う存分に活かしつつ、発信し続けていきたいと思う。
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